「派生開発カンファレンス2012」プログラム

派生開発カンファレンス2012 開催報告

2012年5月25日「派生開発カンファレンス2012」が横浜市開港記念会館において、 約250名(うちチュートリアル参加者 約60名)の方の参加を得て無事に終了しました。
今年度のカンファレンスでは、「経験論文」と「経験発表」を一般公募し、 その中から6件の発表が当日行われました。今年もまた、各発表に対して会場から多くの質問が上がったほか、 情報交換会においても活発な意見交換がなされていました。
また、今年度は試みとして、XDDPを初めて知る方も参加しやすいように、 チュートリアルの枠を午前中に設けたところ、多くのお申込みを頂き早々に満員となりました。
また、同じく初の試みとして、ポスターセッションを設け、2つの研究会から活動成果の報告が行われました。 カンファレンス本セッションと併行しての短い休み時間のなか、多くの方に見学いただき、たくさんのコメントもいただきました。

この場をかりて、御礼申し上げます。ありがとうございました。

プログラム詳細

開会挨拶

  時 間 : 10:30〜10:40
  発表者 : 派生開発推進協議会 カンファレンス実行委員長 永田 敦

  来賓ご挨拶 : 経済局新産業振興課  課長 早川恵庸 様

1. チームで極める派生開発
    〜3年半のXDDPの実践から見えてきたこと・感じたこと〜

  時 間 : 10:40〜11:25
  発表者 : ソニーイーエムシーエス (株)  勝又 淳

XDDPに出会ってから3年半が経過する。その間、私が担当するプロジェクトでは、 毎回XDDPを採用し、継続的に改善を行ってきた。 その取り組みの中で、ようやく自分達に最も合うXDDPとの付き合い方の形が見えてきた。 XDDPの導入から継続的改善、そして、自分達に最も合う形へと、 3年半のXDDPの実践から見えてきたこと・感じたことを実例を交えながら紹介する。
プログラム1:講演資料(pdf:694KB)

2. T型マトリクスを用いたXDDPとテストプロセスの接続
    〜T4研究会活動報告〜

  時 間 : 11:25〜12:10
  発表者 : 派生開発推進協議会 T4研究会 名野 響

派生開発プロセスXDDPでは、ソフトウェアの変更点を差分情報として整理し、開発を進める。 しかしながら、第3者検証を行う場合、差分情報のみでは、テスト技術者が、 既存ソフトウェアにおける影響を検討しづらいという課題があり、 本研究会ではT型マトリクスを用いてXDDPとテストを接続する方法を提案した。 今回、開発者がテストを行う結合テストにおいてもT型マトリクスを活用することにより、 効率的なテスト設計をおこなうことができたので、その適用事例を紹介する。
プログラム2:論文(pdf:291KB)・講演資料(pdf:992KB)

3. ETロボコンへのPFDとUSDMの適用

  時 間 : 13:30〜14:15
  発表者 : (株)日立製作所 八木 将計

近年、組込みソフト開発分野における若年層・初級エンジニアの育成が重要となってきている。 そのなか、ETロボコンはコンテストという形式で、ソフトの分析・設計の教育機会の提供を 目的としている。日立製作所 横浜研究所は、ETロボコン2011に参加し、PFDとUSDMを適用した。 ETロボコンは、性質上、成果物が通常のソフト開発と異なるため、ロボコンに特化した 開発プロセスをPFDで設計した。また、ソフト設計の審査に対するUSDMの有効性を示した。
プログラム3:論文(pdf:944KB)・講演資料(7,258KB)

4. 共通性を持つ製品群への USDM の適用と拡張

  時 間 : 14:15〜15:00
  発表者 : (株) SRA 粟生木 徹

共通性を持つ複数のコンシューマー向け電子製品ソフトウェアに対してUSDMを適用して要求と仕様を表現した。 その際、複数の製品を同一の文書で表現するためにUSDM記法を拡張した。 結果として、
    1)同一仕様の重複記述を避けることができ、
    2)仕様変更で影響を受ける製品が一枚の表で特定できる、
などの効果が得られた。
本発表では、拡張の方法と効果、および新たに生じた課題について報告する。
プログラム4:講演資料(pdf:1,762KB)

5. XDDP導入に向けた組織的アプローチの紹介
    〜モデルベース(CMM)から問題解決型へ、そしてXDDP〜

  時 間 : 15:15〜16:00
  発表者 : 富士ゼロックス(株) 斎籐 芳明

弊社でのSPI活動は、2000年にSW-CMMレベル3達成後、QCDの向上に直結する 問題解決型へと舵を切りながら現在まで継続してきましたが、 設計プロセスに関しては、組織的な改善活動が不十分で統一性も欠いていました。 ここ数年増加傾向にある設計工程に起因した派生開発固有の品質問題の撲滅に向けて、 弊社でも昨年度よりXDDPの導入を進めています。大規模なソフトウェアや開発組織に 対してどのようなアプローチでXDDPを導入しようとしているのか、弊社の取組について紹介します。
プログラム5:講演資料(pdf:932KB)

6. 現場からの障壁克服
     〜XDDPを導入する際の障壁とその克服に向けたアプローチ〜

  時 間 : 16:00〜16:45
  発表者 :アンリツエンジニアリング(株) 南部 妙水

XDDPを知り自身が参加するプロジェクトに導入したいと考えたとき、 XDDPに魅力を感じていたのは1メンバーに過ぎない私だけだった。 そこでXDDP導入障壁の研究をもとに、社内標準プロセスにXDDPをマッピングする等の抵抗を小さくする工夫を行い、 参加プロジェクトのXDDP導入にこぎ着けた。 以後もできる範囲で実績・経験を積み重ね、詳細かつ現実味のある説明ができるようになったことで、 XDDPを紹介するチャンスを活かすことができ、全社的なXDDP推進活動のきっかけとなった。 今回はここまでの私の取り組みを紹介する。
プログラム6:講演資料(pdf:328KB)

チュートリアル:ざっくりわかるXDDP

  時 間 : 10:00〜12:00
  発表者 : システムクリエイツ (株)  清水 吉男

XDDPがターゲットとする派生開発とはどのようなものか、またその問題は?
本チュートリアルでは、XDDPの提唱者・清水氏により、XDDPの特徴とその実施ポイントを、 ざっくり2時間でご紹介します。
チュートリアル:テキスト(pdf:6,814KB)

閉会挨拶

  時 間 : 16:45〜17:00
  発表者 : 派生開発推進協議会 代表 清水 吉男


最優秀発表賞

プログラム6:
  現場からの障壁克服  〜XDDPを導入する際の障壁とその克服に向けたアプローチ〜
     アンリツエンジニアリング(株) 南部 妙水
講演資料(pdf:328KB)
                          


ポスター展示

ポスター展示の様子1 本年度初の試みとして、ポスターセッションを実施しました。

今年度は、2つの研究会からの活動成果と、AFFORDDと横浜エンベデッドコンソーシアムとのコレボレーション企画が発表されました。

T3研究会:「XDDP」の入門              T5研究会:影響箇所の気付き

T3研究会 T3研究会         T5研究会

        ※ 各ポスター写真をクリックすると、大きな画像で表示されます。