【基調講演】はやぶさ2の小惑星Ryuguへのタッチダウンにおける画像航法誘導制御 ~自律制御と手動制御~

イベント名 派生開発カンファレンス2021
時間 16:00~17:30
講演者 神奈川工科大学機械工学科航空宇宙学コース
元:宇宙航空研究開発機構はやぶさ2プロジェクトチーム 照井 冬人
概要 小惑星探査機「はやぶさ2」は宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発、2018年6月に人類未踏の小惑星「リュウグウ」に到着し、1回目の超高精度タッチダウンとサンプル採取の成功,世界初の人工クレータの生成及びその過程の観測,その人工クレータ近傍への2回目の超高精度タッチダウンとサンプル採取の成功,これによる世界初の月以遠の天体の地下物質採取の成功、加えて、2020年12月6日に探査機はサンプルが格納されたカプセルを地球に投下しました。カプセルを回収した結果、その中に小惑星表面物質が格納されていることが確認できた、等、宇宙探査の概念を一新する数々の成果を上げています。
この講演では超高精度でのタッチダウンを実現する際に、到着してみて初めて明白となる小惑星の3次元形状、表面形状(凸凹、岩、穴)、表面反射率、自転軸、自転速度、重力といった不確定性の高い条件下で、どのように探査機搭載計算機内のソフトウエアの機能である自律制御と地上からの遠隔操作である手動制御をバランスさせて目的を達成したかをお話しします。