「派生開発カンファレンス2011」プログラム

カンファレンス開催報告

2011年6月17日「第2回派生開発カンファレンス2011」が横浜市開港記念会館において、 昨年同様に約250名の方の参加を得て無事に終了しました。

今回のカンファレンスでは、昨年と同数の6件の事例の紹介の他に、2件の研究会の 成果あるいは途中経過を報告することができました。それぞれの発表に対する会場の 皆さんから出される質問は、昨年同様に途切れることがなく15分の枠を使い切ってしまう 状態でした。ここからも「派生開発」にどのように対応するかということが現場の中で 切実な問題になっていることが窺えました。

この場をかりて、御礼申し上げます。ありがとうございました。

プログラム詳細

開会挨拶

  時 間 : 10:00〜10:15
  発表者 : 派生開発推進協議会 代表 清水 吉男

開会挨拶:資料(pdf:716KB)

1. 導入障壁の克服についての取り組み 〜T1研究会活動報告〜

  時 間 : 10:15〜11:00
  発表者 : 派生開発推進協議会 T1研究会 松田 直樹

現在、多くの組織がXDDPに取り組んでいますが、その導入は必ずしもうまくいっていない状況です。 そんな中、AFFORDD研究会 T1として、「XDDPの導入障壁を克服する会」を開催し、会員のみなさんと議論を行った結果、障壁の克服に役立つ多くの情報を得ることが出来ました。
この議論の内容を、研究会T1 の活動報告として紹介します。
プログラム1:講演資料(pdf:285KB)

2. XDDPとテストを接続するための提案 〜T4研究会活動報告〜

  時 間 : 11:00〜11:45
  発表者 : 派生開発推進協議会 T4研究会 厚田 鳴海

XDDPは、既存システムとの「差分情報」を元に効率的かつ確実に派生開発を行うための合理的な方法である。 しかしながら、「差分情報」に特化しているため、既存システムとの関連が俯瞰しずらく、 第3者がシステムの総合的なテストを実施する場合にそのテスト設計がしにくい状況があることがわかった。
今回、T4研究会では、その状況を改善するために、テスト技術者視点でみた既存システムと開発者の扱う派生開発要件との関連表を作成し、 XDDPとテストの接続を試みたので、その活動内容について報告する
プログラム2:講演資料(pdf:435KB)

3. 完全無知見プロジェクトにおける変更要求仕様書の作成手法

  時 間 : 11:45-12:30
  発表者 : (株)デンソー 津田 剛宏

ソースコードしか存在しない”完全無知見プロジェクト”をベースとする派生開発では、 XDDPの中間成果物である変更要求仕様書の品質が担当者のスキル及び勘と経験に依存してしまうケースが存在する。
本発表では、DFD、AFD、シーケンス図を段階的に活用して変更要求仕様書を作成することで担当者の勘と経験を排除する手法を提案する。
プログラム3:講演資料(pdf:1,286KB)

4. 派生開発における継続的改善
   〜 XDDPとAgile開発手法によるハイブリッドプロセスの考案 〜

  時 間 : 13:50-14:35
  発表者 : ソニーEMCS(株) 勝又 淳

派生開発におけるQDC目標の同時達成を目指す為に、XDDPを導入し、複数のプロジェクトで実践している。 概ね期待通りの効果を得ることができているが、まだ満足してはいない。
XDDPの本質を損ねることなく、よりAgileに開発プロセスを進めて行く事を目的とした。 「XDDPとAgile開発手法によるハイブリッドプロセス」に関して事例を交えながら発表を行う。
プログラム4:講演資料(pdf:726KB)

5. インターンシップにおける要求分析の試行

  時 間 : 14:35-15:20
  発表者 : 東京エレクトロン九州(株) 秋山 浩司

企業では即戦力のソフトエンジニアを必要としている昨今、大学との協業の一環として弊社は、 インターンシップを実施しています。インターンシップ実施の中で要求分析(USDM)を学生さんに講義し、 大学では学べない、要求分析(USDM)を主体にした開発工程を実践していただいています。
今回はその内容をご紹介します。
プログラム5:講演資料(pdf:3,910KB)

6. XDDPの開発現場への展開 〜日本的OJTによる導入障壁の克服〜

  時 間 : 15:20-16:05
  発表者 : (株)デンソー技研センター 古畑 慶次

XDDPを開発現場に導入するに当たっては多くの障害に直面する。 我々は、こうした障害に対し「日本的OJT」を中心とした現場展開を推進してきた。 技術者個人に着目し、技術伝承を前提としたコンサルティング中心の展開からリーダーを育成し、現在は、そのリーダーが中心となって組織へXDDPを展開する次のステージを迎えている。
発表では、改善戦略、展開の考え方、具体的なアプローチを実際の技術者の変化を交え説明する。
プログラム6:講演資料(pdf:1,650KB)

7. ユースケースとUSDMにセミフォーマル手法を適用した要求検証

  時 間 : 16:20-17:05
  発表者 : (株)エクスモーション 藤倉 俊幸

要求の検証において、VDMやZの様なフォーマルな手法ではなく、日本語を混在させたセミフォーマルな手法は26262等でも推奨されている現実的なアプローチである。
今回の発表では、その一例として、ユースケース記述とUSDMから命題を抽出するセミフォーマルな手法を使って要求検証をおこなう方法を紹介する。 抽出した命題からは、検証用のモデルを自動生成することができ、検証には、LTSAやNuSMV等のモデル検査ツールを使用する。 発表では、ある例題に適用して検出した不具合やシステムテスト用シナリオ生成の事例を紹介する。
プログラム7:講演資料(pdf:2,525KB)

8. 測色計の組込みソフトウェア開発におけるQCD同時達成への挑戦
    〜XDDP、USDM、PFDの活用〜

  時 間 : 17:05-17:50
  発表者 : コニカミノルタセンシング(株) 久保 明

測色計の組み込みソフトウェア開発も、大規模化、短納期化が必要となっている。 今回この目的達成のため新規開発のプロジェクトに対し、他機種からの流用部分に対してXDDPの適用、プロセス設計としてのPFD、USDMを用いた各機能の要求仕様書、プロジェクトの推進のためのPF(プロジェクトファシリテーション)を行った。 これらの、取り組みとその経過報告を行う。
プログラム8:講演資料(pdf:1,811KB)

閉会挨拶

  時 間 : 17:50〜17:55
  発表者 : 派生開発カンファレンス2011 実行委員長 渡辺 博之

閉会挨拶:資料(pdf:666KB)