6Σ (シックス・シグマ)

 これは1987年に米モトローラ社によって発表された品質管理手法で、「3.4個/100 万個」という驚異的な欠陥率を 達成します。

 モトローラ社はこの手法を背景に、イリジウム計画を進めています。イリジウム計画というのは、地球上に60個以上の人工衛星を回して、世界規模で携帯電話網を張り巡らそうと言う計画です。

 1990年にその計画を発表したとき、「半導体屋」としては余りにも壮大な計画に世界は耳を疑ったものでした。しかしながらこの壮大な計画は、狂いもなく進められているのです。そして携帯電話の利用コストを考えたとき、飛躍的な歩留まりを確保する必要があったのです。

 100万個に付き、僅か3.4個という欠陥率は驚異的と言うほかありません。それはもう「改善」というレベルではありません。
 モトローラ社は全米の部品業者に積極的にこの「6Σ」のノウハウを伝授しており、今日では全米の主な製造業は、すべてこれに取り組んでいるんでいると言われています。

 GEも例外ではありません。確かGE社が今年(1996年)の5月11日付けの日経新聞によると、2000年には「6Σ」の導入効果として、年間100億ドル(1兆円以上)ものコストダウンを実現することを目指しています。発表されたところでは、現時点でのGEの欠陥率は100万個に対して3万5千個ですから、これをさらに1/1万に引き下げるというのです。

 スクラップが1/1万に減り、余計な労働時間もその分必要なくなります。それでいて製品としての生産量は変わりません。正に驚異です。それと同時に、最初からスクラップを作らないのですから、今年の10月から発効した「IS0 14000」の精神にも適うものです。
 またHP社は、ソウトウェア開発に於いて、これと「CR手法」を組み合わせようとしています。

 「2000年」・・・ソフトウェア産業だけでなく、一般の製造業も含めて、世界の業界地図は一体どのような地図になっているか、想像も出来ません。分かっていることは、「CR手法」や「6Σ」によってソフトウェアの世界にも、驚異的な品質の要求が発せられるということです。

 今までのように、何となくプログラムを書いていては、21世紀の市場の要請には応えられないでしょう。一刻も早く、これらの成果を手に入れるための効果的な取り組みに着手しなければ間に合いません。


【参考文献】

「欠陥ゼロのソフトウェア開発」 日経BP社
 ISBN4-8222-0223-2   \6,500


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