「ET2016」AFFORDDスペシャルセッション実施報告

2016年11月16日(水)~18日(金)に、横浜のパシフィコで開催されました。18日(金)の会議センターで派生開発推進協議会がスペシャルセッションの枠で「派生開発問題解決セミナー」として「派生開発でアジャイルに対応するために何が必要か」と言うテーマで講演とパネルディスカションを実施しました。

講演要旨

IoTの時代を前に、迅速な市場投入を旗印にアジャイル開発に取り組むケースが増えている。特に競争力を高めるために、「Agile」に作るだけでなく、「Software Defined」な仕組みを盛り込む動きがある。そしてこのような状況にあって、派生開発においても「agile」に取り組めないか」という要望も出ている。ただし、国内では「Software Defined」をあまり意識していないように思われるが、これは非常に危険である。

一般に派生開発は、そこでの基本的問題を忘れて、無節操にソースコードの変更に着手すると、思わぬところに変更の影響が出たり、終わったはずの変更をやり直すことになったりして、混乱状態に陥ってしまう。また、派生開発をコスト重視でオフショアに出していたところでは、ソースコードの劣化が進行していると思われるのと、国内組織の開発技術の空洞化も進行している可能性があり、そのような状況では、派生開発を「agile」に取り組むこと困難であろう。とはいえ、このままで座して動かなければ競争上不利な状況に追い込まれることは目に見えている。

そこで、XDDPの「変更3点セット」の成果物を活用することで、

・混乱したソースコードに規律を取り戻すためのリファクタリングの情報を得る。
・その後で、「変更3点セット」などを活用することで派生開発をアジャイルに取り組む。
と言う2段階での取り組み方があることを提示した。道は平坦ではないが、進まない限り状況は開けない。そのためにも、XDDPは「変更3点セット」の作成を不用意に手抜きせずに取り組んでおくことをお勧めする。

派生開発推進協議会 代表 清水 吉男

パネルディスカッション要旨

IoTの時代を迎え、ソフトウェアの開発を高品質にかつアジャイルに取り組むことに対して、市場の要求はますます高まっている。とは言っても、派生開発をアジャイルに取り組むにはソースコードの状態によっては大きな困難を伴う。派生開発推進協議会の「T06」研究会は、XDDPを活用してこの問題に対処する方法を探求することをテーマにしている。今回、研究会のメンバーを交えて、会場の皆さんと一緒に派生開発をアジャイルに取り組む方法を議論する。

開催概要

タイトル 派生開発の問題解決セミナー 2016
~派生開発でアジャイルに対応するために何が必要か~
日時 2016年11月18日(金) 14:45~16:45
場所 パシフィコ横浜 会議センター5階[502]

プログラム

  プログラム
1

14:45~15:15 代表講演
XDDPを活用してアジャイル派生開発に挑む
~変更情報を適切に活用することで混乱を回避できる~

株式会社 システムクリエイツ/派生開発推進協議会 代表 清水 吉男

2

15:15~16:45 T6研究会の有志と前川氏でパネルディスカション
XDDPを活用して派生開発をアジャイルに取り組む方法を議論しよう

モデレータ:
ソニー株式会社  永田 敦氏

パネリスト:
株式会社日清システムズ 前川 直也氏
アンリツエンジニアリング株式会社 星野 充史氏
株式会社日立製作所 八木 将計氏