スケジュールを改訂する
さて、こうして1日、ないしは数日単位で、作業の進捗が管理されていれば、見積りが甘い段階では、必ず予定から外れて行くのが分かります。その結果、明日から着手する作業は、実は1週間前に着手していなければならなかった作業であったりします。
着手の遅れは、最初から気勢を削ぐものです。しかも1週間もずれてしまうと、毎日の進捗の確認もやる気にならなくなり、その後はずるずると遅れ始め、簡単に以前の無政府状態に戻ってしまいます。
ここでどれだけ踏ん張れるかがポイントで、そのためにも現実にそぐわなくなったスケジュールはさっさと(定期的に)書き直すべきです。実体に合わなくなったスケジュールは、それを見ることを厭うようになり、役に立たないどころか、かえって心理的にマイナスになってしまいます。
これも「すぐに止めてしまう」原因になっていると思われます。現実は「建前のスケジュール」からどんどんずれていくのに、「建前のスケジュール」はいつまでも「建前」のままそこに居座り続けているのですから、こちらの方から顔を合わすのを避けるようになるのは人情です。
役に立たなくなった(建前の)スケジュールを残しておくことに何の意味もありません。もしあるとしたら、マネージャーの立場からの「見せしめ」の意味しかないでしょう。
ただし、書き直す際に重要なことは、「遅れの原因を把握する」ところでも述べてきたように、そのまま単純に1週間後ろにずらすようなことをしてはなりません。たとえば1週間の遅れを2週間で取り戻す工夫をしなければなりません。遅れた原因をしっかり考えて、その上で新しい工夫を考えなければなりません。ときにはチームの応援を仰ぐことも考えましょう。
今まで、正確に作業を見積ったことはないのですから、そして顧客の「希望」通りに作業を進めたことがないのですから、ちょっと取り組んでみたぐらいでは上手くいくわけがありません。まだまだ担当者の「思考の中身」は何も変わっていないのですから、上手くいかなくて当然です。上手くいかないことが分かったところから「出発」するのです。
このとき、改定前のスケジュールを保存しておいて下さい。コンピュータの中に保存できないなら、紙にしてでも保存しておいて下さい。当初のスケジュールとどれだけずれてきたのかを見ることは必要です。プロジェクトが終わったときに見ることにしましょう。
自分がプロジェクト毎にどのように変化していくかをみるのは、不安でもありまっすが嬉しいものです。