ウォークスルー(インスペクション)

レビュー技法の一種であるウォークスルーやインスペクションという言葉は、この世界で仕事をしていれば耳にしていることと思いますが、だからといって必ずしも、正しく認識されているとは限りません。
ウォークスルーと呼んでも、インスペクションと呼んでも構いませんが、大事なことは、「成果物」に対して行われる“厳密な”レビューであるということです。決して“意見を出し合う”ためのレビューではありません。成果物に対して、そのなかに潜んでいる「欠陥」を厳密な姿勢で見付け出す行為なのです。そこにいい加減さは許されないのです。なお、此処では私の習慣上“ウォークスルー”と呼ぶことにします。

ウォークスルーの実施のポイント

 1)制作者批判にならないこと

 2)事前に配布すること

 3)成果物の内容の精度を高める

 4)成果物の単位を小さくすること

 5)決めるのは担当者である

 6)ウォークスルーの精神を参加者全員が理解していること

ウォークスルーの効果

ウォークスルーは、欠陥を見付け出す方法である以上、最終的なプログラムに潜む欠陥(テストや運用で発見される不具合)の数は減少するはずですが、その他に、副次的に以下に揚げるような効果も期待出来ます。

 1)成果物の精度が向上する

 2)メンバーのスキルが向上する

 3)「決める」ことが出来るようになる

 4)“動かす”ことの効果

CR(Clean room)手法の前提条件となる


【参考文献】
「ソフトウェアの構造化ウォークスルー」 近代科学社
    Edward Yourdon著、 国友義久・千田正彦訳



「Software Process」のメニュー に戻る