庵主の日記

(2001/2/17〜2001/2/25)

 2/17 「マイライン」は参入妨害ではないのか?
 2/19 シーガイアの倒産

 2/20 できるか金融改革
 2/21 ネギと家電の交換?

 2/23 行き詰まる第3セクター


 2/17 「マイライン」は参入妨害ではないのか?

 新聞によると、公取委は独禁法の適用を広げる方針だという。大いに結構である。企業の行動を監視するだけでなく、業界団体の圧力も監視して欲しいし、酒類販売などのように、行政が新規参入を阻んでいることへも、勧告してほしい。NTTの「Lモード」なども、この観点から判断されるのだろうが・・・。
 ころで、今なら「マイライン」の変更申込はタダで、11月以降は途中での変更に800円の料金がかかるというのは、利用者に対する恫喝に聞こえて仕方がない。どみても、既存業者(全員)による顧客の抱え込みであり、固定電話では、もはや契約者数が増えない状況にあって、新規に参入しにくくする仕組みではないか。

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 2/19 シーガイアの倒産

 第3セクターの大型リゾート施設の象徴であった宮崎のシーガイアが、ついに倒産した。数年前から時間の問題だったが、ここまで強引に引っ張ってきたわけだが、多分、傷口を広げはずだ。写真でみても、“なんでこまでの施設が必要なの?”と思いたくなる。一体、何処を見てプランを立てたのだろう。古びた役人の見栄の塊としか思えない。資本金が大きくて、従業員がたくさんいて、大きなビルに入っている会社が「立派な会社」という発想に近いものを感じる。今日の記者会見の場に並んだ「経営者」を見ていると、もしかしたら、“これだけ立派なものを作ったのだから、客が入ってくれるはず”とでも思っていたのだろうか。
 もっと解せないのは、倒産させていながら、引き取り相手に、施設や雇用などを現状維持する条件を付けていることである。まさに見栄の塊であるが、もしその条件で新しい経営が成り立つとすれば、自分たちの経営能力の無さが証明されるということに気付いていないのだろうか。

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 2/20 できるか金融改革

 イタリアのパレルモで開かれていたG7サミットで、日本の金融機関の不良債権処理の仕方について注文が付いたようだ。引当金を積む「間接処理」では、いつまでたっても銀行のバランスシートは良くならない。今の日本の状態は、金融機関の体質が改善しない限り、企業へに対する支援の殆どは効果がでない。バランスシートでは「資産」に計上されているはずなのに、これらの資産は、殆ど利潤を生まない。それよりも、問題の債券を売却等の形で処理してしまう、いわゆる直接処理をするように求められている。当然、これによって問題の企業は倒産する可能性が高い。
 これまで、日本政府はこの「倒産」「解雇」「失業者の増加」という事を嫌って、対応を先送りしてきた。その結果、経済の停滞を長引かせ、結局、金融機関の不良債権を増やしてしまったのである。それが、G7から言われたからと言って、本当に出来るのだろうか。

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 2/21 ネギと家電の交換?

 中国からの野菜の輸入が増えていることで、国内の農家がダメージを受けているとして、「セーフガード」に向けての調査に入っているようだ。農水省の役人も、中国に出向いて交渉に入った。消費者にしてみれば、中国産といえども、極端に安いわけではない。この程度で、競争できない日本の農家の生産性の方が問題ではないか。そのうえ、ちょっと気候が変動しただけで、2倍に跳ね上がるようだと、輸入を増やせと言いたくなる。
 ところで、中国側には、日本の自粛要請に対抗するための何枚かのカードがある。その一つが、今や日本の家電メーカーの大部分の生産拠点であるということである。必ず、そっちのカードを切ってくるだろうし、逆に、中国が野菜の輸出を止めれば、国内の野菜の価格は高騰する危険がある。もっとも、政府にインフレを起こしたい気持ちがあるようなので・・・。

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 2/23 行き詰まる第3セクター

 宮崎のシーガイアの破綻によって、日本中の第3セクターの行方が注目されているが、雑誌によると、現在115社が債務超過の状態だという。すでに、だいぶ前から役人の天下り先とも化してしまった感がある。地方自治体と民間の共同出資ということや、役員の順送りによって、責任の所在が混乱しているのだろう。中途半端に公共性という看板が上がっていたりするものだから、余計に始末が悪い。
 だが、この115社は、おそらく立ち直ることは難しいだろうし、この時勢に引き受け手も期待できないだろうから、その殆どは清算する事になるだろう。その結果、ただでさえ疲弊している地方自治体の財政は、一気に窮地に立たされることになる。それにしても、後世に大きなコンクリートの塊と借金を残してくれたものだ。

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