庵主の日記

(2000/12/10〜2000/12/15)

 12/10 物騒な国?
 12/11 一時的現象?

 12/12 株安とのジレンマ
 12/14 最悪の倒産件数

 12/15 役所の発想?


 12/10 物騒な国?

 かってこの国はとても安全な国であった。銃などの規制が行き届いていたし、警察組織が、市民を守ということに対して機能していた。だが、最近では、銃はその気になれば手に入るというし、集団で“どうどう”と家に押し入ってくる。“泥棒”なんて、今では「芸術品」となってしまった。もともと自己防備の習慣がない状態だから、簡単に押し入られてしまう
 折しもペットブームで、多くの魚や動物が輸入されているが、いつまでも飼いきれなくなって勝手に川や山に放してしまうことが問題になっている。天敵が居ないために、そこで繁殖し、在来種の魚や書道物の生存が危ぶまれているが、人間の世界も、それとよく似ている。
 銃を使えない日本の警察は、銃や刃物を使い慣れた彼らにとっては脅威ではないのだろう。捕まることはあっても、命は保証されているようなものだ。だが、被害を受けるほうにとってみたら、逆に命の保証はないから厄介だ。

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 12/11 一時的現象?

 大蔵省の発表では、設備投資が3四半期連続で増加したという。いわゆる「IT関連」の投資が増えているのが原因のようだ。だが、アメリカでは、既にパソコンの売れ行きが鈍り始めたし、日本でも、高速のネットの普及が遅れていることで、これ以上のパソコンの売り上げは長くは続かないだろう。携帯電話程度では、直ぐに飽和してしまうし、波及効果は限られている。
 もう一つの要因は、100万円までのコンピュータ製品が損金扱いになっていたことで、企業の買い替え需要が発生していたことである。この扱いは、来年3月で終了するので、この面からも一時的な現象に終わってしまうだろう。

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 12/12 株安とのジレンマ

 さきごろ、政府が、低迷する株価対策として「持ち合い株の解消に対して、慎重な行動」を金融関係者に要請するという、禁じ手を出してきたが、逆に、市場から反撃された形になっている。他に方策を持っていないことを暴露する形になったからだ。「持ち合い」といういびつな状態を解消しないかぎり、世界の資金は日本には入ってこない。そのような環境では「市場原理」が働かなくなるからである。
 来年度から導入される「時価会計」に向けて、金融機関は財務体質の強化に動いていて、持ち合い解消は、その一環として行動されているものである。これを10年間、先送りしてきたことが、今日の低迷の原因の一つなのである。
 折しも、海外の投資会社も、浮動株が少ない株式は投資の優先度を下げるという。つまり、持ち合い度の高い株式は、世界の投資家からは対象外とされることになる。政府が、新手の株価PKOに動けば動くほど、日本の経済は世界から遠ざかってしまう

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 12/14 最悪の倒産件数

 民間調査会社による11月の倒産状況にが発表されたが、さすがに件数は大幅増となっている。しかも不況型倒産がその内の約8割を占める。なんてことはない、2年間、倒産を先送りしてきただけのことで、ここに来て点滴チューブが外された形になったため、集中して起きているだけのことである。要するに、産業分野そのものが時代に合わなくなったのと、経営内容自体が、ITの恩恵を受けず、旧来のままであったりすることで、販路を開拓できなかったのだろう。
 政府は、越年資金を潤沢にするように金融機関に要請しているが、これも延命策にすぎず、根本的な解決にはなっていない。中小企業を支えるのであれば、数年先に向けての制緩和の方向を示し、それに向かって誘導することが必要であったが、結局、既得権を持つ産業や企業からの反発を受けて、身動きが取れなくなったことが、ここに来て表面化した。選挙資金をもらっている以上、支援者を切ることは容易ではない。だから、政権交代が必要なのである。

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 12/15 役所の発想?

 年賀状の受付が今日から始まった。20日までに投函すれば「2001・1・1」と押印してくれるそうだが、なんか変だ。これって、まったくの役人根性丸出しではないか。自分たちの作業を楽にしようという魂胆で、サービス精神がまったく見られない。だれもが、21世紀を迎えるのである。しかも、忙しくぎりぎりまで働いているのである。こんな時ぐらい、管理職を動員してでもすべての年賀状に、「2001・1・1」と押すぐらいのサービスはできないのか。
 それに、機械化が進んでいて、少なくとも受け付ける側の作業は、配達作業と比べても自動化率が高いのではないか。まったく自分たちが、サービス業であることを認識していない証拠。

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