庵主の日記

(2000/10/10〜2000/11/29)

 10/10 見苦しい雪印の行動
 10/26 無認可保育所

 10/28 パラリンピック
 11/2 お上頼み?

 11/29 あ〜H2Aが上がらない


 10/10 見苦しい雪印の行動

 雪印の北海道大樹工場の操業再開のための検査で、洗浄不十分を指摘されてしまった。保健所の話では、普通の検査ではこれくらいは問題にはしないのだが、特別に厳しく実施したとこで引っ掛かったという。雪印としては、”普通”の検査のつもりで準備したとしたら、考え違いも甚だしいと云わざるを得ない。
 もしかしたら、まともに考えて指示を出せるマネージャー(管理者?)は居ないのではないだろうか。今回の事故と、その後の対応のまずさで、組織内部はガタガになっていることは予想されるが、余りにも腑甲斐無いではないか。そのような判断も行動もできない人を管理者に据えた人事のいい加減さを問題にすべきだろう。そして、多くの企業にとっても、対岸の火事ではないはずである。

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 10/26 無認可保育所

 無認可保育所で事故が相次いでいるが、どうもよく分からない。“無認可”にもかかわらず幼児を預かることが出来ることが理解できない。それも、隠れて営業しているわけでもない。行政側も無認可保育所の存在を把握している。ただ、無認可なのだから、そこで幼児を世話する人の資格も運営も、業者(無認可保育所)の善意に依存することになる。便利さだけで幼児を預かる事業ができること自体、行政の怠慢としかいいようがない。時代の多様性に合わせて、保育所の種類を規定すればいいではないか。何も、1種類に限ることはない。特に、24時間預かるような保育所では、逆に、衛生面も含めて、いろいろな資格を条件としなければならない

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 10/28 パラリンピック

 今回のパラリンピックでは、日本の選手が多いに活躍した。体の不自由を乗り越えて、いや、それだからこそ能力の限界をためそうとする姿勢に、感動せずにはおれない。たしかに、一部の競技は、急速な技術の進歩の恩恵を受けている。陸上の短距離では、健常者も敵わないほどの記録を出している。だが、片足のハイジャンプは、正真正銘の残された1本の足だけで助走し、そのまま跳ね上がる。そして私の身長を越えていく。どうしてそんなことが出来るのかと思う。
 人は、失ったものが大きいほど、それを補うべくとんでもない能力が、新しく生み出されるようだ。「生まれ変わっても、今と同じように両足がなくてもよい」と、アメリカの選手の話は、思い出すだけで胸が熱くなる。彼は、今の状態を不自由とは思っていないのである。それだからこそ得られたものの方が大きいと思っている。
 私は五体満足で50年生きてきたが、いったいどんな能力を引き出したというのだろう。本当に、世の中の役に立っているのだろうか。

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 11/2 お上頼み?

 生保の破綻が相次いでいる。その主要な原因が「逆ザヤ」であることは明白である。そのような事情を受けて、金融再生委員長が、これ以上の生保の倒産を防止するためにと、約束した利率を引き下げることができるような法改正を匂わせている。この時期にこんな話が出てきたのは、8〜10年前に契約された「一時払い養老保険」が、まもなく大量に満期になるからである。当時、8〜10%の複利で約束しているはずで、確かに、相当な逆ザヤになっている可能性があるが、これは、企業の運用能力の問題である。世界中の保険会社が、同じように収益を上げられなかったわけではない。リスクヘジという方法もあったはずである。これは日本の生保の経営の問題であり、運用の問題なのである。
 「確定利回り」は、生保の各企業が契約者に「約束」したことである。低金利のメリットを勝手に使ってしまっておいて、長く低金利状態が続いたから不可抗力だという分けにはいかない。自分たちの給料を半減してでも約束を実現しなければならない。もし、ここで満期前に予定利率を引き下げてでも生き延びるようなことをすれば、日本の生保は信頼を失うであろう。

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 11/29 あ〜H2Aが上がらない

 H2Aの打ち上げ予定が、来年2月から「夏」に延期された。先の燃焼試験の結果、細管にへこみが生じていたためであるが、それにしても、ぶざまとしか言い様がない。優秀な人たちが集まっているはずなのに。3年前には出来ていたはずなのに。3年前に何があったのか、何が行われたのか、もう一度検証してみればよいのにと思うが。
 まさに、「構成管理」の問題なのである。そこで何かを変更したはず。仕様の変更はもちろん、組織の変更もあっただろう。そこで漏れたものがあるはずである。個人の“ノウハウ”になっていたものが、人事異動とともに失われたものがあるのではないだろうか。技術的ノウハウだけでなく、組織運営の面でも、おなじような形で失われたものがあるだろう。そうでなければ、急に今回のような事態には成りえないのである。
 多くの組織では、“ノウハウ”を「技術」に転換することを怠ってきた。“ノウハウ”を有り難く拝んできた。だが、そんなものは継承できないことに気づいていない。H2Aは、まさに日本の象徴とも成りえるものだけに、何とか挽回してほしい

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