庵主の日記

(2000/8/15〜2000/8/27)

 8/15 信用できない日本の医療機関の評価
 8/20 役所のやることか?
 8/22 中途半端な料金
 8/25 日本に居ない?ビル・ゲイツのような人
 8/27 ナップスターの与えたもの


 8/15 信用できない日本の医療機関の評価

 日本では、97年から「日本医療機能評価機構」が医療機関の査定を行い、同機構のホームページ(http://www.jcqhc.or.jp/)で公開している。だが、この審査項目の中に、医療ミスの発生の有無は入っていないという。認定後の医療ミスも報告の義務はない。アメリカの評価事情に詳しい人の話では、チェック項目も、アメリカと比べて見劣りする。アメリカの評価期間がチェックすれば、日本のほとんどの病院は不認定だろうという
 その最大の原因は、「日本医療機能評価機構」が、厚生省、日本医師会、全国病院協会などが出資してできた組織であることだ。これが病院を中立に評価できるはずが無い。同機構によれば、この認定は、「個別の患者に提供される医療の質や、医療事故が1件も起こらないことを保証しているわけではない」と開き直るしまつである。彼らは、医療の面で国民を守るという意識もない。完全な、自分たちの天下り先として作られた組織である。
 もともと、プロセスを定義できない、そしてプロセスをコントロールできない状況の中で、この種の「保証」が実現することは無いのだが、それでも、この国の医療しか受けられない人達は、何を信用すれば良いのだろうか。病院の方は、この「認定」を取得したことを大々的にうたっているのだが。

庵主の日記の目次に戻る

 8/20 役所のやることか?

 通産相が、ヒトの遺伝子を分析し診断を行う「臨床用遺伝子検査機器」の開発に乗り出すと報じられたが、何でこんなものを通産相が開発に乗り出すのだろう? 完全に民間の仕事ではないか。役所が、そのようなスポットライトの当たる分野に予算を使いたくてしようがないのか。本来なら、民間企業がこの種の機器の開発にかかった費用を、税制でカバーするのが筋だ。「日本新生プラン」の予算は、そちらに補てんすればよい。
 いつまでも、このように社会主義まがいのことをやっていると、民間企業が弱っていくだけだし、学生の士気も上がらない。

庵主の日記の目次に戻る

 8/22 中途半端な料金

 全日空が、東京ー大阪間に導入する「シャトル便」の運賃が、往復で29,000円だという。新幹線の「のぞみ」の指定料金より、わずかに220円安いだけである。なんとも、みみっちい。どうせなら、2000円ぐらいは安くなるような料金を設定するぐらいのことをやってもらいたい。これでは、JRに遠慮したと思われてしまう。あるいは、それでは運輸省が認可しないのだろうか。

庵主の日記の目次に戻る

 8/25 日本に居ない?ビル・ゲイツのような人

 日本の学校の図書館が、図書を購入していないという。1昨年と比べて、5%も減少している。図書の財源である市町村の財源が厳しい状態にあるため、図書の購入がしわ寄せをくった形になっている。アメリカの場合は、ビル・ゲイツが財団を作って、全米の学校に図書財源を配っているが、日本にはそのような篤志家がいないようである。だがこの構図は、「今」を享受するために「将来」を犠牲にしているようなもので、明日の日本を支える子供たちに対して、なんらのビジョンも持って居ないことを暴露しているようなものである。

庵主の日記の目次に戻る

 8/27 ナップスターの与えたもの

 音楽配信でナップスターが衝撃を与えている。これによって、既存の音楽産業と呼ばれる「産業」が、その存立を危うくすることは確かであるが、もともと、インターネットは、双方向性であることと、それ自体が“ネットワーク”であり、途中の流通をカットする力を持っていることを考えると、当然のことかもしれない。ただ、そこに存在してきた既存の産業は、このままでは存在できなくなる。彼らに言わせれば、このままではアーティストの収入も制限されるというが、必ずしもそうではない。ナップスターを介して、ネットワーク上で評価されたアーティストは、コンサートなどでによって、収入を得ることになる。ネットワーク自体が、宣伝機関のようなものと考えればよい。レコード産業と言えども、せいぜい1.5世紀のものに過ぎない。インターネット時代とは、まさに「革命」なのである。音楽アーティストが収入を得る方法が変わるのである。

庵主の日記の目次に戻る