庵主の日記

(2000/3/25〜2000/4/28)

 3/25 マネージメントの責任重大に
 4/3 ふざけてる!
 4/7 日米の生産性格差
 4/19 就職活動のタイムラグ
 4/28 いつか来た道


 3/25 マネージメントの責任重大に

 今年の4月から企画部門のホワイトカラーにも裁量労働制の適用が拡大される。これまで実施されてきた分野は、総じて生産性が必ずしも労働時間に比例しない職種が中心で、この傾向は今後も続くものと思われる。
 この制度は、運用を間違えると「過労死」あるいは「過労自殺」の問題に発展する。そこで問題になるのは、マネージメントの管理能力である。昨日、電通社員の過労自殺に対する最高裁の判決が出され、まじめな性格にも一部の責任があるという(とんでもない)高裁の判決を覆した。言い換えれば、それは会社のマネージメントの責任ですよということである。
 裁量労働制は、このマネージメント能力の向上と足並みをそろえないと、悲劇が起きてしまう

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 4/3 ふざけてる!

 百貨店のそごうが、総額6390億円の借金をチャラにしてほしいと言って銀行に泣きついているが、とんでもない話しである。確かにここで倒産してしまえば、1兆をはるかに越える有利子の借金の多くは返済できないだろうが、だからといって、こんな要請を許してしまえば、借金も、デカければ潰せないということになってしまうし、第2第3のそごうが出てきてしまう。
 もっとも、この手の問題が残っている限り、日本の金融問題に終止符は打たれないのである。

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 4/7 日米の生産性格差

 アメリカの失業率が4%台に入って久しいが、ようやく、インフレの兆候が見え隠れしている。イギリスでは、失業率の低下でインフレに対する警戒感が強まっているのと比べると対照的である。
 アメリカが簡単にインフレにならない理由として上げられているのが、第1に生産性の向上である。ITの発達やその他の生産性向上に繋がる技術の進歩をフルに活かして、いろんな活動において生産性の向上が続いている。
 CMMの広がりも、第2段階に入っているようだし、シックスシグマも着々と広がっているようである。日米の生産性の格差はそうとう広がっているのではないか?
 ところで、いつの間にか、韓国の失業率の方が低くなっているではないか。

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 4/19 就職活動のタイムラグ

 いつものように、既に来年の就職活動が始まっている。最近は、氷河の氷も少し緩んだのか、新規の採用計画が昨年よりも増える傾向が見られる。もっとも、ほんの僅かだが。
 実際、半導体を中心に業績は急回復しているが、周りは必ずしも回復している分けではない。今のところ、日本の半導体に競争力があるようだが、この競争力をさらに強くするための対応はなされていない。景気が良くなると、直ぐに設備を増強し、人員を増やしてしまうというスタイルから抜けてこない。まったくワンパターンである。
 このように変化の激しい時代、1年という時間はちょっとした経営ミスが表面化するのに十分な時間でもあるし、その間に経営方針が大きく変更されることもあり得る。就職活動の自由化が、活動時期を速める結果につながってしまったが、その結果、学生の方も大きなリスクを背負い込むことになってしまった

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 4/28 いつか来た道

 証券会社が、軒並み業績を回復した。バブル崩壊を機に、大量の人員整理を実施したこともあって、コスト体質は改善されてきたことは確かで、そこに昨年からの株高を背景にした取引きの増加が収益に繋がったようだ。インターネットによる投資も始まったこともあって、投資家も、かってのバブルの時代から世代交代している。
 だが、証券会社の収益構造は、相変わらず短期の売買に強く依存していて、バブル機と同じ構造である。元来、長期保有が建前の投資信託も、短期で売買されている。親会社である証券会社の意向が働いている以上、この構造は変わらないだろう。
 企業の株価収益率が改善されないままでは、こうしたいびつな形でしか成立しない。企業のほうも、ゼロ金利や超低金利の政策がにあぐらをかいていないか。収益構造を変えなくても、株価が上がるのでは、何も変わらないではないか。

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