庵主の日記2

2003年3月5日 高くついたソフトのバグ

 3月1日、東京航空交通管制部のフライトプランのソフトのバグで航空会社各社の損害は、直接的なもので合計で10億円に達するという。このあと、損害賠償の請求が出ることは避けられない。日本の場合の損害請求は、基本的に「1倍」だったと記憶している。アメリカではたしか、この場合は3倍まで請求できたのではないか。そうなると30億円になる。

 それにしても1件のソフトのバグが随分と高くついたことになる。昨年の「みずほ」の時も高くついたが、あの時は、みずほ自身の責任だった。それに対して今回は、ソフトを開発したNECということなので、契約の状況によっては全てNECに請求が行くことになるかも知れず、そうなると過去にあまり例の無いような高額の請求になるだろう。いずれにしても、ソフトのバグは高くつくのである。

 これを機に、要求の仕様化やプロセスの設計技術の向上につなげて欲しい。またこのケースは「リスク管理」という観点からもフォローしなければならないケースだし、外注管理や契約のところにも波及する要素を含んでいる。失敗を成功に繋げるためにも、この方面で適切な改善策が講じられることを期待したい。また、それを日本のソフト産業の糧にするためにも、是非とも公開していただきたい。今回の汚名を返上するには、これしかないだろう。

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