庵主の日記2

2003年3月4日 “りそな”の苦しい言い訳

 3月1日に「りそな銀行」がスタートした。さすがに昨年の「みずほ」のトラブルを学習しているようで、実に慎重に準備してきたようだ。3月1日の土曜日に統合作業を行ったところからもその慎重さが伺える。そのため、銀行側も記者会見で移行作業は順調に運んだことを強調した。ところが、3日になって一部のコンビニのATMでトラブルが発生した。さらにそのあと、自動引き落としで2重引き落としのトラブルが発生した。銀行としては、自動引き落としの方はソフトのバグではなく、作業上のミスだという苦しい言い訳をしている。

 だがここで2つの疑問が出る。一つは、なぜ「手作業」で処理したのか、ということである。本来なら、これも自動で処理されるはずで、手作業でする必要はない。実際に翌日になって自動的に処理されたから2重引き落としになったのだろう。したがって前日の段階で何か機能を満たしていなかったのではないかと勘ぐられても仕方がないだろう。それが修正されて翌日走ってしまったのではないか。

 もう一つは、この時点での手作業での作業が「正規」の作業だとすれば、なぜ手作業でやったことを指示するのを忘れたのか。つまり、コンピュータの方から「手作業でやったかどうか」を確認するような機能が組み込まれていなければならない。そうでなければ「機能不全」ということになる。いわゆる「プログラムのバグ」ではないが、「仕様の欠陥」ということになる。

 いずれにしても、これを「ソフトのバグではない」と弁解したことで、「りそな」は、今後この種の問題を「不可抗力」と認識することになるのだろう。それとも、社内と社外とで使い分けているのだろうか。

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