庵主の日記2

2003年2月3日 「マイナス金利」?

 お金を借りたら、返すときには金利をつけるのが常識である。だが2001年ごろから、短期の「コール市場」で、邦銀と外銀の間で「円」に対してマイナス金利が発生している。邦銀が外銀からドルを調達するときに円を担保に差し出すのだが、ドルを返済する際に外銀は円を大幅に割り引いて返す。その結果、外銀にとっては円を調達する際の金利が「マイナス」となるのである。

 外銀としては、今は「円」を持ちたくないのだろう。とにかく、円に対して「マイナス金利」が定着しているようで、これまで長期にわたって「マイナス金利」が続いた例はないという。最近では、マイナスの金利幅が「0.08%」という数字も現れているようだ。邦銀は、我々の普通預金の金利(0.001%)よりもはるかに高い金利を払ってドルを調達しているのである。このマイナス金利があまりにも高いので、外銀間での「円」の融通でも「0.01%」のマイナス金利を払っても損をしないのだ。とにかく、「円」が手に入ったらマイナス金利をつけてでもさっさと手放そうとしているように見える。「円」は「ばば抜き」のジョーカーか?

 いったい、日本の銀行というのは、社会に富をもたらすことに貢献しているだろうか。私には国富をすり減らすことに貢献しているように思えてならない。

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