庵主の日記2

2002年6月29日 職務給制の先にあるもの

 年功賃金の見直しが叫ばれ、ようやく責任の重さで給料が決まる制度が普及し始めているようだ。確かに、責任ばかり押し付けられ、その割に給料が頭打ちというのもやり切れないが、かといって、専門職がマネージャーの給料を上回る制度を作るだけけの腹がある企業は、まだまだ少ないだろう。
 とは言え、「年功賃金」を前提に今日までやって来た人たちは、だまし討ちに合ったようなものである。したがって精度の変更は一斉に適用するのではなく、10数年間は、2つの制度を併用した形で進めていかないと、結果的には、企業への信頼が薄れてしまう。

 ところで、今は差がついても、40歳で1.4〜1.8倍程度だという。年功賃金の文化が残っていることと、まだまだ個人を評価する技術が不足していることが、差がつかない原因だというが、もう一つ、指名解雇が出来ないことも、個人の評価技術の向上にとって、大きな障害となっていることに気付く必要がある。この壁を崩さないと、この種の施策が全て中途半端なものになってしまうだろう。

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