庵主の日記2

2001年11月3日 プロ野球をバラエティにする気か!

 日本のプロ野球のシーズンも終わって、来年に向けての話が出てくるのかと思ったら、なんと、「シニア版」が始まってしまった。ゴルフやテニスでは、シニアツアーがあり、そこでは往年の名選手が、距離やスピードこそ出ないものの、今でも良いプレーを観客に見せている。見る人に好感を与えると同時に、選手層の厚さを実感させてくれる。もちろん、ゴルフやテニスでは、元プロであれば、誰でもシニアでプレーできるわけではありません。テニスもゴルフもツアーのルールに、大きな違いはないと聞いています。

 そう思って日本の「シニア」を見ていたら腹が立ってきた。チャリティの企画であればこれでも良いが、金を取る「リーグ戦」だというから、お粗末きわまりないし、人をバカにするのも、いい加減にしろといいたくなる。130Km台の投球がバットに当たらないし、当たっても、1塁にまともに走れない。遠投もできない。確かに、30台前半の人(選手とはいいたくない)は、まだ走れるが、ほんの一握りの選手を除いて、事前のトレーニングもまともに出来ていないと思われる。

 いったいこの人たちは何を考えているのか。野球を「バラエティ物」にするつもりか。それとも、自分たちのやっていることが分かっていないのだろうか。テレビを始めとするメディアも、面白く扱っているが、これだって、もともと日本の野球をその程度のスポーツとしか見ていない証拠ではないか。

 元来、プロスポーツは、スピードや技や力の限界を競うものであり、そこに大技や小技、そして駆け引きなどが織り交ぜられて感動を見せるものである。客はその感動を見るためにお金を払うのである。

 この「シニア」のメンバーを見ると、プロとして大成して卒業した人たちはほんの僅かしかいない。多くは、プロとして行き詰まって辞めた者である。そのよう人たちが、いったい、どのような感動のプレーを見せようと言うのだろうか。観客も、OBも、メディア(マスコミ)も、みんなで日本のプロ野球をダメにしていることに、いい加減に気づいたらどうだ。

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