庵主の日記2

2001年9月28日 拙速ートラウマシンドローム?

 テロの実行犯の写真が発表されたのを見ると、アフガニスタンのテロリストは居ないではないか.さすがに、アメリカも今となっては、アフガニスタンに攻撃するタイミングを逸した感がある.ビンラディン本人を自らの手で探しだす以外に手はなさそうである.

 ところで、駐米大使が、国防長官から「Show the flag」といわれたということで、政府としては早速に自衛隊の派遣を決めて、小泉首相がアメリカに乗り込んで「誠意」を示すという「快挙」に打って出た.どうやら湾岸戦争での失態が尾を引いて居たのだろう.今度こそは汚名挽回とばかりに、インド洋まで自衛隊の艦隊を出すという「大サービス」のメニューを見せたまでは良かったが、キティホークが横須賀に帰ってくるという.つまり、20世紀型の戦争はないということである.政府は、自衛隊の派遣に必要な法案を提出する準備をしているはずだが、どうやら、旧来の戦争のパターンから抜けていないのではないか.それだけではく、今回は、軍隊を動かそうとしたのはNATO以外にはない.多くの国がアメリカに足を運んで、大統領と何やら話をしたようだが、基地を提供するとか、「支援」という発表はあっても、軍隊を派遣するというのはなかったように思う.それだけに、「旗を見せる」という日本政府のフライングが目立ってしまった.

 今回も、外務省の情報収集能力や交渉能力の無さを露呈してしまったわけだが、「外交は武器を持たない戦争である」ということを、在外大使や外務省の高官は認識しているのだろうか.今回の手違いで、相変わらず「ご用聞き大使」であったことを見せたが.これからは、湾岸トラウマとアフガントラウマの両方に挟まれて、外務省として動きが取れなくなるのではないか.

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