「派生開発カンファレンス2010」開催報告
カンファレンス開催のお礼
2010年6月18日、「第1回派生開発カンファレンス2010」が横浜市開港記念会館において大勢の方の参加を得て盛大に開催され、無事に終了しました。ありがとうございました。私たちが把握しているだけでも西は明石市、北は奥州市からも参加していただきました。
今回は、1日1会場という制約もあって6件の事例しか紹介できませんでしたが、それでも「XDDP」や「USDM」などが活用されている様子は参加していただいた皆さんには伝わったかと思います。
それぞれの発表事例に対して会場の皆さんから出される質問も、何とか自分たちの取り組みに活かそうという気持ちを感じ取ることができましたし、同時に会場の皆さんも我が事のように、そこで繰り広げられている質問とその回答に聞き入っている様子が見えました。会場からの質問が途切れることがないということからも、そのことが分かります。
開発案件の80%以上が「派生開発」という現実にあって、派生開発の現場の問題を軽減し解消することは、同時に日本のソフトウェアの現場を元気にすることにも繋がります。さらには多くをソフトウェアに依存している産業全体にも波及すると考えています。もちろんその主役は皆さんなのです。
その意味からも、今回このような「場」を提供できたことは、主催者として大変嬉しく思っています。そして次は、今回参加していただいた皆さんのなかから、あるいはこの様子をいろいろなルートからお聞きになった皆さんの中から、そして今このHPをご覧の皆さんのなかから、
「ようやくXDDPに取り組めたよ」
「Fixという言葉を使わずに要求仕様の合意ができた」
「仕様の変更率が1%以下を実現したよ」
「1年前まで混乱していた組織でもここまで取組みができたよ」
「ここを工夫してバグが1/10になったよ」
「なによりも現場のみんなが元気になったよ」
という事例を持ち寄っていただきたいと思います。お待ちしています。
なお、当方の都合で早めに締め切ったことでカンファレンスに参加できなかった多くの皆さんには、大変申し訳なく思います。改めてお詫び申し上げます。
2010年6月19日
派生開発推進協議会 代表 清水 吉男
1995年に「XDDP(eXtreme Derivative Development Process)」と「USDM(Universal Specification Describing Manner)」に基づいたコンサルティングが開始されてから15年が経過しました。また2005年に「USDM」が、続けて2007年には「XDDP」の単行本*1も出版されたこともあって、派生開発を効率的に進めたいということで「XDDP」や「USDM」に取り組んでいる組織が増えてきました。
時代的にも、今日では開発期間やコストを押さえるという市場要求もあって、既存のソースコードを少しでも長く使い回す必要性が高まっています。一方でソフトウェアの規模が大きくなって、新規に開発することのリスクを取りにくくなっており、この面からも派生開発の機会が増えています。
今日、この派生開発を効果的にかつ合理的に進め、品質と生産性の向上を計ることは、日本の製造業だけでなく産業全般にとって非常に重要になっています。これによって、製品の競争力が増し、現場のエンジニアの疲弊も軽減するからです。
こうした時代的背景のなかで、「XDDP」は派生開発の特徴を考慮した派生開発専用の開発アプローチとして広く知られるようになり、多くの組織で取り組まれるようになってきました。しかしながらコンサルティングが行き渡らないとか、これまで現場で行われてきたプロセスとの違いなどもあって、それぞれの組織での取り組み方にばらつきが見られ、効果も思った程には得られていない組織も少なくないと思われます。
そこで、「XDDP」や「USDM」の取組みの事例を持ち寄って、取組みに戸惑っている組織の皆さんのヒントになる情報を提供することで、この事態の打開を計るために第1回の「派生開発カンファレンス2010」を下記の要領で開催します。
今回の発表事例は、基本的に「成功」の部類に入るものが中心ですので、事前に何らかの形で取り組まれている人であれば、自身の取組み方法との違いなどから工夫が手に入ると思います。一方、派生開発の混乱に悩まされている方で、事前にXDDPやUSDMの知識がない方の場合は、XDDPやUSDMが実際にどのような効果があるのかが見えますので、取組みの動機にしていただけば良いと思います。今回の発表の中には、私のコンサルティングを受けずに、書籍を読んで取組んできた例が数例あります。
ということで、皆さんの問題の解決に役に立つと思いますので、一人でも多くの方の参加をお待ちしています。
*1 単行本
USDM:[改訂第2版] [入門+実践]要求を仕様化する技術・表現する技術 -仕様が書けていますか?(清水吉男著、技術評論社刊)
XDDP:「『派生開発』を成功させるプロセス改善の技術と極意」 (清水吉男著、技術評論社刊)
【変更のお知らせ】
- [06/30]講演資料と一部のビデオ映像を公開しました。
- [06/14]野呂 昌満氏の基調講演資料を改訂しました。
- [06/08]講演資料のダウンロードを開始しました。
- [06/08]カンファレンス申し込みを締め切りました。
- [05/16]カンファレンス申し込みの締め切りが、2010年6月8日(火) に変更しました。
- [05/11]派生開発カンファレンス2010ではTwitterを活用しています。公式タグは #xddp2010 です。
開催概要
開催日 | 2010年6月18日(金) |
---|---|
カンファレンス | 10:00~17:30 |
情報交換会 | 18:30~20:30 |
会場 |
横浜市開港記念会館 講堂 会場はこちら |
【会場における注意事項等】
- 会館の利用について
会館ホームページのよくある質問「予約・申込・利用について」をご一読ください。 - 車椅子での来場
- 車椅子で来場の方は、カンファレンス申し込み時に、車椅子で来場の旨連絡事項にご記入ください。
- 車椅子利用の方が車で来場される場合には、会館内に駐車可能です。
- 車で来場される場合には、会館事務所にお問い合わせください。(電話 045-201-0708)
- 昼食
- 講堂での飲食はできません。
参加申し込み
参加募集
券種 | お申込み種別・参加費 | |||
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会員*2 | 賛助会員*2 | 協賛団体会員*3 | 一般 | |
カンファレンス | 3,000円 | 4,000円 | 4,000円 | 5,000円 |
参加費 | |
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情報交換会 | 4,000円 (お申込み種別 共通) |
*2:派生開発推進協議会の入会とカンファレンスの参加の同時申込みはこの金額になります。この場合、カンファレンスの参加申込み費用と、派生開発推進協議会の入会費用が必要になります。派生開発推進協議会の入会費用はこちらを参照下さい。また、カンファレンス参加費用および派生開発推進協議会の入会費用のご入金はまとめてお支払い頂けます。
*3:協賛団体については、下記の協賛リストをご参照ください。
申し込み方法
受付は終了いたしました。
個人情報の扱い
お申し込みに際して頂きました個人情報は、派生開発推進協議会が厳重に管理・保管し、当催事への参加者の把握と確認以外の目的に使用することはありません。
振込み方法
参加申し込み後にお送りする「請求書」にお振込いただく銀行の口座情報を記載しています。
プログラム
時間 | プログラム |
---|---|
9:30~10:00 | 受付開始 |
10:00~10:05 |
開会挨拶 派生開発推進協議会 副代表 渡辺 博之 |
10:10~10:55 |
【基調講演】 南山大学 野呂 昌満氏 |
11:00~11:45 |
【事例発表】 東京エレクトロン ソフトウェア・テクノロジーズ株式会社 本多 慶匡氏 |
13:15~14:00 |
【事例発表】 ソニーイーエムシーエス株式会社 勝又 淳氏 |
14:05~14:50 |
【事例発表】 株式会社デンソー 中井 栄次氏 |
15:05~15:50 |
【事例発表】 TIS株式会社 阿部 啓氏 |
15:55~16:40 |
【事例発表】 株式会社日立情報制御ソリューションズ 伯田 誠氏 |
16:55~17:40 |
【事例発表】 パナソニック ファクトリーソリューションズ株式会社 厚田 鳴海氏 |
17:45~18:00 |
派生開発推進協議会 代表 清水 吉男 |
18:30~20:30 |
情報交換会 (会場:Applause(旧名:TVKCafe)) 講演内容についての質問やそれぞれの現場での取組みについて情報交換の場としてご活用ください。 |
※ 派生開発カンファレンス2010ではTwitterを活用しています。
公式タグは #xddp2010 です。
主催
派生開発推進協議会
後援
- 独立行政法人 情報処理推進機構
- 横浜市経済観光局
協賛
- 社団法人 神奈川県情報サービス産業協会
- 社団法人 情報サービス産業協会
- ソフトウェア技術者協会
- 財団法人 日本科学技術連盟
- 日本SPIコンソーシアム
- 一般社団法人 PMI日本支部
- 社団法人 組込みシステム技術協会
- ETソフトウェアデザインロボットコンテスト
- 社団法人 日本情報システム・ユーザー協会
- ソフトウェア・メインテナンス研究会
- NPO法人 組込みソフトウェア管理者・技術者育成研究会
- NPO法人 ソフトウェアテスト技術振興協会
主催者情報
カンファレンス実行委員会
- 委員長
田中 一夫 (アイエックス・ナレッジ株式会社) - 副委員長
横田 明子 - 委員
阿部 啓 (TIS株式会社)
安倍 信孝 (パナソニック ファクトリーソリューションズ株式会社)
厚田 鳴海 (パナソニック ファクトリーソリューションズ株式会社)
池田 暁 (日立情報通信エンジニアリング株式会社)
岡本 敏厚 (セイコーエプソン株式会社)
小笠原 秀人 (株式会社東芝)
奥 保正 (日本電気株式会社)
梶本 和博 (セイコーエプソン株式会社)
古畑 慶次 (株式会社デンソー技研センター)
斎藤 賢一 (株式会社エクスモーション)
酒井 郁子
佐津川 勝彦 (パナソニック システムネットワークス株式会社)
杉村 宗泰 (マイクロソフト コーポレーション)
鈴木 三紀夫 (TIS株式会社)
高橋 裕之
永田 敦 (ソニー株式会社)
林 好一 (株式会社SRA)
吹中 幹生 (株式会社パスコ)
福田 一郎 (株式会社小野測器)
村上 くにお (WACATE)
森島 三恵 (パナソニック ファクトリーソリューションズ株式会社)
森田 敬太 (パナソニック ファクトリーソリューションズ株式会社)
山崎 崇 (WACATE)
山下 和加
渡辺 滋 (株式会社日立情報制御ソリューションズ)
派生開発推進協議会
- 代表 清水 吉男 (株式会社システムクリエイツ)
- 副代表 渡辺 博之 (株式会社エクスモーション)