関係者への早期の対応

 スケジュールの遅延が、最終工程や設定されたマイルストーンに影響を与えると判断されるときは、早めに関係者や依頼者と納期や機能に関して交渉を開始する必要があります。最終納期に影響を与える場合には、

  1)納期を遅らせる
  2)機能を絞り込む
  3)納入を2回以上に分割し、それぞれに必要な機能を絞り込む

 といった対応が考えられます。

 残念ながら一般にはこの対応が執られるのが非常に遅く、もし、対応が早ければ2)や3)を選択できるかもしれない状況でも、殆どの場合1)の選択しか残されていないことが多いものです。

 対応が遅くなってしまう理由は単純で、そのような組織では、何が、どの程度遅れるのか、納期の1月半前に分からないからです。詳細なスケジュールを持っていれば、このような問題は簡単に解決できるのですが、“遅れ気味です”では行動を起こせないのです。

 それでも、ソフトウェア製品によっては、ある種の機能は月末に間に合えばいいという場合があります。日計機能を先に納めておいて、2週間後に残りの機能を納めるということで、危機を脱することも可能な場合があります。

 ただし、この3)を選択できるのは、対応が早い場合に限られるでしょうし、そこには「信頼関係」が求められます。それに、ぎりぎりになってのこの種の要請では、顧客は不信感をぬぐい去れず、合意に至ることは難しいかも知れません。とは言え、納期に間に合わないという「現実」は変わるわけではありません。

 影響する相手が顧客ではなく、開発関係の別部隊の場合も、基本的には早めに対応するということは同じです。約束のマイルストーンの時点に間に合わない可能性があるなら、遅れた原因と、何日あれば出来るのか、遅れに対してどのような対応をしようとしているのか、などを持って交渉に臨まなければなりません。連絡が遅れれば、別部隊の人たちも対応方法がなくなります。

 何れにしろ、此処で勧めるような詳細スケジュールを持っていることが、早い対応を可能にするでしょう。


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