ネバナラナイ・スケジュール
これは、“この作業は、○○日までに終わらなければならない”という作業の集合で構成されているスケジュールのことです。私は、このようなスケジュールのことを「ネバナラナイ・スケジュール」と呼んでいます。そこでは、それぞれの作業に、その日までに終わるという裏付けがあるわけではありません。
その人に興味があるのは、その日までに終わらせる方法ではなく、“その日までに終わらなければならない”ということです。コンサルティングをしていると、よくこのような場面に遭遇します。「○○日で出来る目処はありますか?」という質問に対して返ってくる答えは、「裏付けはありませんが、どうしても○○日までに終わらなければならないのです」。
そのような人は、結果よりも「努力」することに意義を見出しているのかも知れません。確かにそのような考え方は存在しますし、その考え方のほうが相応しい場面もあるでしょう。しかしながら「結果を約束」するような場面では相応しくありません。時には、そのような「努力」に何の評価も与えられない可能性もあります。
ソフトウェアの開発のような場面では、この「ネバナラナイ・スケジュール」は何の意味も持ちません。“○○日までに終わらなければならない”としても、その方法を見出していない以上、その日までには終わらないのですから。そこに残るのは「それでも努力したのです」という小さな声なのです。
皆さんは、くれぐれも「ネバナラナイ・スケジュール」にならないように注意して下さい。