その日の状況を報告する

 少なくともこの詳細スケジュール表とは毎日向き合う必要があります。これを「面倒だ」と言われては、どうしようもありませんが、それは毎日向き合うことの意義を理解していないからでしょうか。あるいは仕事の面白さに触れたことがないからかも知れませんね。

 何でも上手く出来るようになれば楽しくなるものです。仕事だって例外ではありません。上手く出来るようになれば、自然と毎日向き合うことに慣れてきます。あるいは、そうしないと落ち着かなくなります。

 毎日向き合うことの最大の効果は、一つひとつ確実に終わっていくことの実感を得ることが出来る点にあります。そして、「今日は、あとこれだけだ!」として残りの作業に入れることです。

 もう一つの重要な意味は、今、目の前にある詳細スケジュールは、「1ヵ月前の自分」が想定したものであるということです。その間に進めてきた作業の中から、もしかするとその時は考え付かなかった簡単に出来る方法を考え付くかも知れません。或いは、そこまで作業を進めてきた成果を流用できるかも知れません。

 このような作業の進め方に慣れないうちは、1ヵ月前にそのようなことには気付かないものです。勿論、ここにきてスケジュールを見直さなければ、やはり気付かないまま、初めの「プラン」通りに作業を進めることになるでしょう。逆に毎日向き合い見直すことで、自分自身の成長を感じることが出来るのです

 そして、3つ目の意味は、「不測の事態」が起きる可能性がないかチェックすることです。手配に漏れはないか、忘れていることはないか、などを毎日チェックすることによって、問題を早期に発見するのです。

 このように「他にいい方法はないか」「考え落ちはないか」という視点から、毎日スケジュールと向き合うことが重要です。「面倒だ」という人も、毎日向き合っているうちに習慣になって、これを見ないでは作業に入れないようになるものです。実際に、私の回りにも、そのような「習慣」が身についてしまった人は何人も居ます。

 スケジュールは見直せば見直すほど良くなるのです。その場合、共通していることは、見直すたびにどこか変わることです。もっと効率のよい方法を考え付いたり、逆に気付いていなかったことに気付いたりします。後の場合は、スケジュールが後ろに延びることになりますが、それは意外と今までに「稼いだ」分で賄えるのです。

 こうして毎日スケジュールを見ることで、その日の進捗状況がその日の内に分かります。何が遅れたのか、あるいは何が進んだのかがその日のうちに分かりますので、そのままリーダーやマネージャーに報告してください。開発環境によっては、わざわざ報告しなくても、ネットワーク内の所定のところに更新されたスケジュールを置いておくだけで、関係者は自由に見れるかもしれません。それが可能なら、それを使いましょう。

 今は、作業環境も変わって、殆どの場合関係者はネットワークで繋がっています。その日の進捗がその日のうちに明らかになれば、一般に行なわれている週に一回の「進捗会議」は必要なくなります。勿論、全ての進捗会議が不要になるわけではありませんが、単に「現状」を確認するための進捗会議は消えるでしょうし、その方向に進めなければ、新しい時代の仕事の進め方に対応できなくなります。


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