“出来ない理由”のオンパレード
人間誰しも、新しいことに取り組めば、必ず「元に戻そうという力」の作用を受けます。そのとき、周りの現実は、ほとんどすべて新しい取り組みに対して「出来ない理由」であり、「上手く行かない理由」として見えてきます。これを防ぐには“耳無し法一の呪い”のように、暗やみに目を開ないことです。“あの人が出来るんだから、自分も出来るはずだ”といって、そのような誘惑に取り合わないことです。
もう一つは考え方を変えて、そのような「出来ない理由」は全て「挑戦の対象」とすることです。そのうちに、出来ない理由を考える習慣が薄れていき、新しい工夫を浮かべることに喜びを感じるようになります。そこまで頑張りましょう。
ただ、厄介なのは、「出来ない理由」の並べ方が実に巧妙に行なわれるときです。コンサルティングをしていても、反撃の余地を見事に塞いでくるケースがあります。精々「他に方法が無かったのか」という一言を発するのみの自分を見ることがあります。
私の反撃を防いでも、何にもならないのに!
出来ない理由を並べてはならないもう一つの理由は、人の行動は、頭に浮かべる「言葉」に強く影響を受けことです。その意味では「失敗すると思うプロジェクトは失敗する」というマーフィーの法則は正しいと言えます。
最近ではスポーツ選手にも「イメージトレーニング」というものが盛んに取り入れられていますが、これは「成功」をイメージする訓練です。これが大変効果があることは、既に実証されているところでもあります。
人は誰でも、“何とか方法があるはずだ”という言葉を浮かべることで、脳が刺激されシナプス間の電流が流れやすくなり、ヒントが浮かんでくるものです。
これに対して、一旦消極的な言葉を浮かべれば、その瞬間にピタッと思考は止まってしまいます。つまり「出来ない理由の杭」の前で、止まってしまうのです。その30cm横に擦り抜けるすき間があっても、もはや彼には杭しか見えなくなります。
大事なことは、「出来ない理由」を並べないことであり、積極的な言葉しか浮かべないことです。