要求仕様書について

1999/8/5 全面見直し、一部項目を追加)


 「要求仕様書」の必要性は、多くの人が認めているにも関わらず、実際には殆ど書かれていません。仕様を意識していることは、プログラムのバグの原因分析において、「仕様モレ」や「仕様の勘違い」といった項目で集計されることからも分かります。でもそこまでです。
 開発組織によっては、それに代わるものとして「機能仕様書」と呼ばれるものが書かれていることがありますが、その場合、内容は当然のことに「機能」に限定されます。残念ながら「機能」だけでは要求を満たすのに十分ではありません。「品質」も製品を構成する重要な要素です。また、機能仕様がどうやって抽出されたかが問題です。
 多くの開発現場で遭遇する混乱のおおもとは、殆どが「要求仕様書」の不備に起因しているのです。一体、「要求仕様書」にはどんな役割があって、どのようなところに注意して書けばよいのか。 また、よく分からないものとして「要求」と「要求仕様」の違いについても触れてみます。
 ここで紹介する方法は、非常にオーソドックスな方法であり、実際に、どのような開発手法を採用するかによって、少し手を加える必要があるかも知れませんが、それでも、大部分は、このまま使えるはずです。


  要求仕様書って?

    要求と要求仕様の違い

    契約の前提となる

    顧客と何度も協議する

  要求仕様書の役目

       (1)顧客の要求を確認する

       (2)仕様の実現性を確認する

       (3)設計作業に引き継ぐ

       (4)テスト仕様書の元になる

     要求仕様書の構成

       前提条件(使用条件)

       機能的要求

       非機能的要求(品質的要求)

       開発条件

       納入条件

       スケジュール

       変更履歴

     要求書のポイント

       (1)機能のカテゴリに分ける

       (2)要求は短いもの

       (3)要求の必要性(存在理由)を記述する

       (4)要求の優先度をつける

     要求仕様書のポイント

       (1)要求から仕様が導き出される

       (2)仕様の記述は簡潔に

       (3)曖昧な表現を避ける

       (4)個々の項目に固有の番号を割り振る

       (5)項目にチェック・ボックスを付ける

       (6)必要なら用語集をつける

       (7)品質的要求を具体的に規定する

       (8)80%を目指す

       (9)これって要求は何?

       (10)前提や制限の扱い

     時代と共に
     おまけ。。。要件を外さないために



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