「日本版CMM」について

(2001/12/30 )

 2001年12月26日、経済産業省から「日本版CMM」についての中間まとめ(案)『ソフトウェアプロセスの改善に向けて 〜SPIへの今後の取り組み〜』が発表されました。発表自体は、予定通りですが、その内容は前回のものと変わっていて、改めて、中間案をまとめたと言う感じに受け取れます。前回のは何だったのか良く分からないというのが、私の印象です。

 大きな特徴は、「CMM」という表現が控えめになっていることです。カバーから消えましたし、内容的にも、これを何としても推進するという表現には読み取れません。国際的な動向として紹介し、これに準じるのが妥当、というような位置付けになっています。やはり、前回の内容では、ISO や SPICE を排除することに繋がりかねないということで、相当な反発があったものと思われます。表現としては、「CMMI」は、SPI手法の中の一つとして紹介する形になっていますが、やはり本音のところでは、これを中心に進めたいというのが読み取れます。

 今回の中間まとめ(案)を読んで、もう一つ感じたことは、強い推進力を感じないということです。半年前の勢いが感じられません。今回の経済産業省の取り組みが、シリンダー内にススでも溜まったかのうように、回転むらを感じます。それでも、この種の取り組みを推進するには、SEIのような公的組織(機関)が必要であるという認識には至っているようですが、これをどのように実現するかです。「官」への依存性が高い我が国において、そのような機関が成立するかどうかは、はなはだ疑わしいところです。

 このほか、いくつかの点について、それぞれの項目にそって考えをまとめましたので、ご覧ください、なお、経済産業省のホームページは、以前と変わっていません。また、前回同様、パブリックコメントの募集も行われています。

2001年6月16日発表の中間整理案についてのコメント「こちら」です

http://www.meti.go.jp/feedback/index.html


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