組織がCMMをやっていかないと意味が無いのでは?/個人がやって効果があるの?


 この種の取り組みは組織で取り組まれることで、本来の効果が得られるものです。範囲が大きければ大きい程、その効果も大きいという点では、シックスシグマの取り組みにも共通します。

 しかしながら、現実問題として、最初から全組織を上げて取り組まれることは、残念ながら期待できません。少なくとも、わが国の組織に於いては、そのようなことがトップダウンで決定される事は、今の時点では期待できません。その前に、小さな組織で「成果」を上げておくことで、展開を変えていくしかないでしょう。

 CMMは、小さな「チーム」単位でも、ある程度の効果を上げることは出来ます。もちろん、CMMに取り組んでいない他の部門との境界の部分で、多少の混乱は起きるかも知れませんが、それは今までの状態と同じという意味で、悪くなるわけではありません。ですから、自分たちのチームだけでも何とかしようというチーム・リーダーが居れば、CMMのレベル2への取り組みの70%ぐらいは手に入るはずです。

 ただし、個人での取り組みとなると、「効果」が限定されることは否めません。個人で取り組む時は、最初から「効果」をどのように定義するかということも大事です。自分の習慣を変える(今までやってこなかったことをやる。今までやってきたことを止める)ということに主眼を置くことをお勧めします。もちろん、周りの人は、これに取り組んではいないのですから、出来ることは相当限られますが、成果物の見積りや、詳細なスケジュールの取り組みなどは、一人でもやれる範囲です。優れた成果物を残せて、それでいて周囲の人よりもやることが早ければいいのです。