開発組織の“プロセス・レベル”を評価する


マネージャーの立場にいる人であれば、ここで自らの組織(プロセス)のレベルは一体どれに相当するかが気になるところでしょう。正式にはSEIが定める100余りの質問項目に答える形で、組織のレベルを判定することになっています。

「プロセス・レベルの説明」のところに書かれているそれぞれのプロセス・レベルの特徴と、実際の組織の状況を比べてみて下さい。簡単な目安としては、求められた機能や品質、あるいは期日を20%以上も違えてしまうようでは、初期のレベルと考えてください。基本的にレベル2以上は“約束できる”レベルなのです。

現実にレベル1の組織において、レベル2の要素の一部を手に入れている組織もあるでしょうが、それでも、そのような組織も、殆どは「個人」に止まっており、チーム以上の組織に広がっていることはないのが実情です。実際に、明確な取り組みをしていない組織では、レベル2以上の要件を半分も手に入れていることはないでしょう。これらの要件は、“自然に”手に入るものではありません。

ところで、ここでいう「プロセス」とは、開発組織、あるいはチームを指しています。狭い意味で使う際には、開発手順や個人の思考や行動というとことまで含めることがあります。実際に、W.ハンフリー氏は、最近個人を対象に、PSP(Personel Software Process)という考え方を打ち出しています。PSPにおけるプロセスは、完全にソウトウェア開発に関する個人の思考や行動を指しています。要するに、「投入物」に対して何らかの作用を施して「成果物」を生み出すような行為を総称してプロセスと呼びます。

 ここでは、プロセスのレベルを上げるために各々のレベルに置ける取り組みについて説明しますが、このホームページをご覧の方たちの属している組織のレベルは、おそらくレベル1の状態と思われます。レベル2の組織もあるかも知れませんが、それはほんのわずかでしょう。ましてやレベル3の組織はいないものと思われます。逆に、レベル3の組織に属しているエンジニアやマネージャーの方は、このホームページを覗く必要はないかも知れません。

したがって、レベル3からのステップアップについては、私自身もコンサルティングの体験がありませんので、W.ハンフリーが提案する「CMM」に書かれている項目を紹介する程度に止めさせていただきます。

なお、各レベルへの取り組みの説明は、一旦 Index に戻って下さい。



「Software Process」のメニュー に戻る