1日5分間トレーニングとは、G.M.ワインバーグの『スーパーエンジニアへの道』の第7章の「動機づけのテスト」として勧めている方法でもあります。
ワインバーグはそこで、
と言う形で「5分間トレーニング」を提案しています。
私は昔、この本に出会う前にこれに似たことを約半年間やったことがあります。時間は明確に制限しませんでしたが、5分〜15分を目安にしていました。半年やった(正確には“掛かった)のは、途中で何度も途切れたからです。
誰にも監視されているわけではありませんので、つい都合が悪くなると、自分で理由(=言い訳)を作って中断してしまうのです。いくら忙しいといっても、いくら眠いと言っても、5分間、その日のことを何か書くだけの時間が取れないようなことはあるはずが無いのですが、その場になると、尤もらしいい理由を付けているのです。
実際にやってみると、日記を付けるより難しいかも知れません。それは「5分」という時間制限があるからです。でも「5分」に深い意味があるのです。これが30分や1時間となると、間違いなく「時間がない」ことの正当な?理由が付けられてしまいます。でも、「5分」では正当?な理由がつくことはありません。
それと、もう一つのポイントは、テーマを指定しないことです。テーマを指定すると、やはり“今日はそのテーマについて書くことはない”という言い訳が成立してしまいます。しかも、何時に書くという時間も一切指定しません。朝起きてから寝るまでの間の5分間、何でもいいからその日の事を書こうというのです。
この取り組みの目的は、「self control」であり、自己変革です。
私たちは、このような取り組みを必要だと分かっていても、ついそれをやらないで済ます方法を考えついてしまいます。この世は「無常」であり、一所に留まり続けてはいけないことは頭では分かっているのですが、次の瞬間、そこに留まり続けることの正当性を見付けだしているのです。でも、この姿勢で居続ける限り、何も変わらないのです。
3ヶ月続けることが出来れば、自分に自信が付きます。自己の中にもう一人の自己を見出すでしょう。“逃げ出さない”自分を手に入れることが出来ます。
途中、何度か中断するかも知れません。いや、1回の取り組みで3ヶ月持続する人は、相当自己制御の出来る人で、実際にはそんなに居ないと思います。途中で中断しても、また気を取り直して再開して下さい。そのためにも、自分に対してつまらない言い訳をしない方がいいと思います。
例えば、“仕事が忙しくなったから”といった言い訳をすると、本当にその状況が変化するまで(つまり、暇になるまで)、再開のきっかけを無くしてしまいます。つまり自分で自分を動けなくしてしまいます。呉々も注意して下さい。
時代の変化に対するために自分を変えたいと思う人は、是非取り組んでみて下さい。決して期待外れに終わることはないでしょう。
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・1日5分に限る(±20%程度)
・テーマを絞らない
・小さなメモ帳(100円で売っている)を持つ
【参考文献】
「スーパーエンジニアへの道」 共立出版 刊
G.M.ワインバーグ著、 木村 泉訳
ISBN4-320-02563-6 \2,580