(1999/11/22 加筆)
これはシステムの規模を見積もる方法として、1979年にIBMの Albrecht 氏が発明し、公表したものです。その後1984年に改訂されています。
これは、システムから以下のように、
外部入力の数
外部出力の数
内部論理ファイルの数
外部インターフェースファイルの数
外部照会の数
を数え、それぞれ複雑さに応じて3段階、点数にして「3」から「15」の点数を掛けて合計を求めます。さらに、それぞれにデータ要素の観点から補正と、複雑さによる補正を加えてたものが「ファンクション・ポイント合計」となります。なお、補正を加える際には、「補正定数」や「補正係数」という数値が絡んできます。
こうしてシステムの規模が予測されることになります。
プログラムの行数見積もりは、この補正後のファンクション・ポイント数に対して、使用する言語に応じた係数を掛けることになります。言語毎の1ポイント当りの行数は「SPR社」が公開していますので、参考にして下さい。
こうして、規模や行数が見積もれると、凡の開発期間も見積もれることになります。
ただし、これには前提となる条件があります。それは、「要求」が正しく把握されているという条件です。最初から顧客の要求を外していては、ポイント数に上がってきませんので、見積もりの精度は大きく低下します。
もう一つの問題は、もともとこのアイデアは事務処理の分野で考えられているもので、COBOLベースの世界では、結構使えるかも知れませんが、組み込みシステムや、通信系のシステムでは、ファイルの捉え方が偏っているため、何らかの調整が必要になってきます。
なお、現在は、「IFPUG」 という組織が中心となって、ファンクション・ポイント法の標準化と普及活動を行っています。日本では「JFPUG」が同様の活動をしているようです。
参考文献:「ソフトウェア開発の定量化手法」 共立出版
Capers Jones 著、鶴保、富野 監訳
ISBN 4-320-02637-3
(以下、99/11/22 加筆部分)
これまでファンクションポイント法そのものに関する、日本語の文献が殆どなかったのですが、今年の2月に、ようやく翻訳本が出版されました。内容としては、まさに実践そのもので、方法論からFP分析、事例や演習問題と、今まで欲しかったものが並んでいます。
FP方を取り入れるためには何が必要か、ということも、これで分かるのではないかと思います。
参考文献:「ソフトウェア機能性の計測」―ファンクションポイント技法の実践的入門
デビッド・ガームス、デビッド・ヘロン 著、 阪田勇夫 訳 トッパン
ISBN 4-8101-9004-8