要求仕様のあり方についてまとめられた数少ない本です。確か、要求定義の分野で、世界的の研究者が協同して取り組んだのは、１９９３年からだったと記憶しています。それだけ歴史の浅い、未開拓の分野ですが、とても重要な分野です。だからこそ“エンジニアリング”と位置づけて、精度を上げようとしているのです。実際、要求仕様の書き方を工夫しただけで、幾つかの問題は解決するほどです。要求仕様に取り組む人は、ぜひこの本をお勧めします。［要求仕様関係］
この本は、「要求定義工学入門」の続編的な位置づけの本です。両方とも、ヨーロッパに於ける要求仕様の研究結果としてまとめられたものです。内容は、要求定義に関連する実際のアクティビティをとりあげて、それぞれについて具体的に実施方法などを説明する形をとっています。ページ数が少し多いのですが、ざっと、どのような項目について書かれているのかを見渡し、そのあとで、興味のあるアクティビティを選んで読めば良いでしょう。［要求仕様関係］
ソフトウェアの構成管理は、決して易しいものではありません。ソースの版管理だけでも、機能しないことがあります。それなりのツールを導入しょいようとすれば、組織体制を整備したり、プロセスを明確にしたりする必要があります。この本は、構成管理についての間違った考え方や、その取り組みの中で問題などを「パターン」という概念で捉えて、分かりやすく説明しています。構成管理の導入手引きなどではありませんので、そのつもりで。［構成管理］
この本は、構成管理への取り組みや導入に関して、簡単にまとめられている本です。とにかく、構成管理とはどういうものか、ということを知りたいのであれば、この本で足りるでしょうが、実際に、導入に携わるとなれば、そこで起きる色々な問題については、あまり解説されてはいません。［構成管理］
関連する法規も含めて、外注管理について要領よくまとめられた本です。実務者向きで、見方によっては「実用本」に近いかも知れません。それでも量的にも適当ですので、外注管理の取り掛かりには、ちょうど良い本でしょう。初版は「ソフトウェア外注管理」で、内容はかなり書き変わっています。初版を持っている方は、捨てないほうがよいでしょう。［外注管理］
この本は、インスペクションのガイドブックとして編集されていて、それぞれの場面に応じて、どのような行動をすべきか、という形でまとめられています。この辺りまでだったら、「構造化ウォークスルー」で足りるのですが、この本の後半（２／５）には、実際に数社の導入事例を紹介し、その結果などを見せています。［レビュー関係］
いろいろな定量化技法について紹介している本で、内容的にも非常に高い本です。著者は、もともとＦＰ方のエキスパートでもあります。開発組織のレベル（状態）によってじゃ、なかなか定量化（計量化）に取り掛かれないかもしれませんが、この本に書かれているようなレベルまで行かなくても、組織の状態に応じて、幾つかのヒントが得られるでしょう。また、どのようなところで計量化ができるものかを知っておく事は大切なことです。少なくとも、この本はお勧めです。［品質保証・品質管理］
内容は「ソフトウェア開発の定量化手法（第２版）」と一部重複する部分がありますが、この本は、最初から「品質」に的を絞って書かれています。品質を上げ、あるいは改善する為に知っておかなければ成らないことなどが、テーマごとにまとめられていて、読み易いです。評価部門や、品質保証部門の人は、ぜひ読んでおいて欲しいです。［品質保証・品質管理］
この本は、ソフトウェアの開発に携わっている人には、是非とも読んで欲しい本です。この本には、ＳＥとしての人間学といえるモノが、豊富に詰まっています。特に、チームのリーダーやマネージメントに関わる人は、必ず読んで欲しいですね。日本の組織における根本問題である「任命リーダー」についての問題は回避策など、重要なテーマについて書かれています。［ソフトウェア一般］
これは、ファンクションポイント（ＦＰ）法に関する数少ない文献です。これまで、ＦＰ法の導入に関する資料を入手するには、JFPUG のセミナーに参加するしか方法がなかったのが現状ですが、ようやく、出版されたという所です。今まで、断片的な資料をつないできましたが、それらのことは、この本で殆どまとめられています。実際に取り組んでみようとする人にとっては、非常に分かりやすい本だと思います。［見積り］