タイトル・・「派生開発」を成功させるプロセス改善の技術と極意
出版社・・・技術評論社
A5判/416ページ
価格・・・・定価 2580円(+税)
ISBN978-4-7741-3249-5

発売・・2007年11月25日
都内大型店では10月25日前後には並んでいると思います。


 「派生開発(XDDP)」については、2007年4月に当時の情勢からSoftware People vol.8で緊急に公開しましたが、その後、色々な場面での対応の仕方などのパターンなどをまとめるのに時間がかかってしまいましたが、今回ようやく1冊の本にまとめることができました。「派生開発」のまとめに取りかかってから2年という月日が経ってしまいました。この間、多くの方にご不便をおかけしたことをお詫び申し上げます。

 さて、ソフトウェア開発現場に於ける実態はほとんどが「派生開発」です。それにも関わらず、世の中に提案されている開発手法は、すべて「新規開発用」といっても差し支えありません。もちろん、今回公開した「XDDP」のような派生開発に特化したプロセスが存在する(しうる)ことに気付かない状態では、従来の開発手法が「新規開発用」であるとは認識はしていないと思われます。「新規開発用」とか「派生開発用」という区別そのものが存在しないでしょうから。

 でも、派生開発では、新規開発とはちがって「部分理解」の中での作業が強いられるでのす。そのため、思い込みと勘違いが錯綜することになり、バグや手戻り作業の多発となって混乱するのです。そしてバグを多発に止まらず、事前に発見仕切れなかったバグがトラブルとなって市場にばらまかれてしまうことになります。トラブルを発生したシステムによっては社会は混乱することは避けられません。しかもそうしたトラブルは日常的に起きています。おそらく、日本中で年間で数万件というトラブルが外の世界で発生しているものと思われます。そうした中でエンジニアは疲弊し、中には倒れていきます。この事実は、明らかにそこで実行されたプロセスが、派生開発の要求にマッチしていないことから発しているのです。

 今回公開した「XDDP」という派生開発専用の開発プロセスは、私自身が「週35時間」と「10倍以上の生産性」を実現してきた最大の根拠であり、95年からのコンサルティングの中でも、60例余りの事例のほとんどが当初の納期限を余して完成しているのです。平均でも3割の工数が短縮されています。そしてこの方法によって、実際にデスマーチも1回で脱却できたケースも少なくないのです。昨年、このホームページの巻頭頁のタイトルに取り上げた「30%の生産性向上」というのは、この方法によって可能になるのです。

 一昨年の出版した「要求を仕様化する技術・表現する技術」と合わせて、本書もまた皆さんのお役に立つことを願っています。

 なお、本書に収めきれなかった方法や、今後の私のコンサルティング活動の中で発見した対応方法については、適時、このホームページの中で補足していきますので、あわせて活用してください。

 (2007年10月16日)