§ 出版のお知らせ §

タイトル・・SEの仕事を楽しくしよう ―こんなSEはだめになる―
出版社・・・SRC(ソフト・リサーチ・センター)
価格・・・・定価 2,310円(本体 2,200円+税5%)
ISBN4-88373-194-4

発売・・2004年2月15日


▲出版に至った経緯▼
 今から約2年前に、ある出版社から、ホームページで展開している「レクチャー」の内容をベースにして、私の経験をまとめた本を出さないかという話しが舞い込みました。本業のコンサルティングが忙しくなったころでもあったのですが、その出版社の企画に乗ることにし、原稿の執筆に取りかかりました(その辺りから、ホームページの更新が滞ったわけです)。
 残念ながら、最初の話しは実現しなかったのですが、その理由は、原稿のボリュームが膨れ上がって、そのままでは500ページを越えるものになってしまったことです。絞り込もうとしても、それでは当初の企画との整合性がとれないのです。この時、「本」という製品にも、やはり「企画(要求とその背景)」が重要であることを思い知った次第です。

 今回、本になったのは、その後に入った出版社の企画によるもので、企画の内容を検討した結果、適当なボリュームに収まるとの見通しが立ったので、全体の構成や内容の深さを考えて、改めて執筆をし直したわけです。一部は、前回の原稿を手直しして持ち込んだものもありますが、企画とのバランスの関係で、ほとんどは書き直しています。結局、この2年間で書いた原稿は、60万字を越え、原稿用紙にして1500枚を越えます。(今回、本になるのは、この中の1/3以下です)。

 こうして、ようやく2年近い時間をかけた執筆の第1幕が終わるのですが、この間は、ちょうど本業のコンサルティングが忙しくなったこともあって、1日の睡眠時間は、3,4時間という生活を続ける結果となりました。もともと、昼間はコンサルティングや講演に出ていますので、他の顧客からのメールに応えたり、送られてきた成果物をチェックしてコメントをつけて返したりする(メール・コンサルティングというやり方です)のに、毎日夜中の2時頃までかかっていましたが、この間はそれに輪をかけた形になったわけです。もちろん、家族へのサービスは犠牲になってしまいました。それでも、ようやくゴールに到達したことで、ほっとしています。

 余談ですが、この間、行きつけの理髪店のマスターからは、「髪の毛はクタクタになっていますよ」と言われ続けてきました。

▲内容▼
 今回出版する本の内容は、6割以上をSE(ソフトウェア・エンジニア)向けとして、残りをリーダーやマネージャー向けの内容にしました。

 多くのソフトウェアの開発現場では、時代の波に翻弄され、漂流するSE(ソフトウェア・エンジニア)で溢れています。彼らはプールで簡単に泳ぎ方を習ったというだけです。中には、我流で泳ぎ方を覚えてきたSEもいるでしょう。でも実際の海では、顧客の要求が大きな波となって寄せてきます。多くのSEは、波を押さえる方法や、波に巻き込まれないための対応方法は習っていません。それは設計手法の本の中には書いていないのです。いや、それを身に付けていないために、新しい設計手法だってまともに身に付けることは難しくなっています。

 このままでは、仕事で一度も「成功」を味わうこともなく、一度も顧客(依頼者)から感謝されないで現役を終えてしまう、ということも現実のものとなってしまいます。本当にそんな人生で良いのだろうか? 世の中に貢献した足跡も残さずに、人生を終えて良いのだろうか? ここがこの本で言いたいところです。

 人は、生まれてくることは自分ではコントロールできません。でも、どのような人生にするか、どのように人としての一生を終えるかは、コントロールできます。宿命として変えることが出来ない部分もありますが、毎日の行動の中で変えることが出来る部分も少なくありません。それが「運命」です。仕事の仕方が悪ければ、人としての「尊厳」をも傷つけてしまいます。それでは取り返しがつきません。

 第一に、仕事に楽しく向き合えるようにすることです。厳しさがあっても、その波を乗り越えたときには、感激も数倍になって帰ってきます。仕事を楽しくするのは、どうすれば良いのか。それは、市場が要求する役割をこなせることです。そのためには、どうすればよいのか。・・・。SEとして、設計手法以外に身に付けて欲しいことが沢山あります。それがあれば仕事の仕方が変わるということは沢山あるのです。

・時代の見方。
・「プロ」のSEとして身に付いてておいて欲しいこと。
・現実の組織に於ける不条理。
・その中でどうやって自分を磨くか。
・習慣を変えることや継続する方法。
などなど・・

 この本では、私の35年間の中で得てきたことの中から、今のSE(ソフトウェア・エンジニア)や、ソフトウェアの開発リーダーの皆さんにとって有用と思われることを、時代を越えて「普遍性」の高いものを中心に、紙数の許す範囲でまとめてみました。
解決方法は、皆さんの直ぐ横にあります。それが見えないだけです。この本で、そのことに気付いてくれれば、そして、激動する時代の中で、活躍する「場」を手に入れてくれれば、私の役割は全うします。

 (2004年1月21日)